2時間おきにトイレばかり起きて、ほとんど眠れなかった。昨夜はそんなことなかったのに。体が薬剤の排出を促しているのかな…? あ、でも便は病院に来てから一度も出ていない。
朝、指のこわばりでブラインドを開けるのに苦労する。ひもが思うように握れないのだった。でも、なんだか歩きたい気分で、外の構内を半周だけゆっくりと歩いた。スリッパでは未だに小指側が摩擦で痛くて部屋とトイレを往復することすらままならないというのに、「歩こう」と思えたということ自体、ものすごい進歩だ!
隣の女の子の足元にブックオフの段ボールが2箱。入院中ヒマだろうと、ダンナさんが『ワンピース』全巻を買って届けてくれたらしい。「おもしろいの? 読んだことないんだ」と言うと、「読みますか?」と聞かれたので、とりあえず5巻まで貸してもらう。
土曜日。同部屋の2人は週明けに手術を控えているので見舞い客ラッシュ。いつでも何をしてても話しかけてくる向かいの女性のおしゃべりにちょっと閉口気味だったけど、一人だけぽつんと残されるとそれはそれでさびしい。本当にわがままだ。
担当医がいらしたので、今後の治療方針について話す。現在の副作用が落ち着くまでスタートを見合わせていたホルモン療法を次回から始めたいのだがどうですか?と聞かれた。“いまの副作用でも日常生活を送るのに精一杯だし、現在仕事復帰に向けて動いているので、今、これ以上、副作用がひどくなるのは困る。ホルモン治療で関節痛の副作用が出たという話もよく聞くし…”と答えたら、それは閉経後用の薬で、閉経前用の薬は、関節痛はあまり出ない(乳がんのホルモン治療は閉経後と閉経前で薬剤が異なる)。ただ、ホットフラッシュは割と多くの人に出るし、抑鬱状態が出る人もいるとのこと。欝!? 私の場合、ヤバイじゃん…
先生いわく、ホルモン治療は現在5年を予定しているが、恐らく標準が10年になるだろうとのこと。というのは、これまで5年ホルモン治療を行った人と無治療の人とでは再発率が大きく異なるのはよく知られていたが、実は5年と10年ではそんなに差がなかった。が、先日大規模治験の結果が出て、実は5年行った人と10年の人とでは、10年以降に大きく差が出ることがわかったのだそうだ。現在、無治療であればできるだけ早くスタートすることを勧めるが、ハーセプチンもやっているし、とにかく長く続けるもので、大切なのはいつスタートするかではなく最後までやり終えることだから、じゃぁもうちょっと待ちましょうか、と言ってくださった。ほっとした。お願いだからハーセプチンが終わってからにすると言ってくれ~。ちなみに私の使用予定のホルモン治療薬はタモキシフェン。関節痛が出た閉経後の先輩はフェマーラと言っていた。他の閉経後薬の方も確かに関節痛が出ていると言っていた。
相変わらず一人なので『ワンピース』を読み始める。面白い!というより、うまい!と感心してしまう。が、好きかどうかって聞かれると、私は、こういうファンタジーものはあまりフィットしない。E.Tとかハリー・ポッターとかも全くダメだし、つくづく夢のない現実的な人間だと思う。あ、でも、トイストーリーは大好きなんだよね。なんだろう、魔法とか戦闘とかに興味がないのかも。
2人きりになったので隣のベッドの女の子と話しながら夕食。実は3年前に子宮ガンを患った、食事内容ももともと和食が好きで乳製品は苦手、お酒も飲めない、身内にも乳がんはいないのになぜ自分がガンになるのかわからないと言うので、「ストレスに弱いとかそういうことはない?」と聞くと、「弱いです!」。まだ起こってもいない最悪の事態を想定して思い煩うとか、他人に気を遣って勝手にクタクタになるなど、私と思考の癖がそっくりだった。「今を楽しめないなんて人生損してる」とダンナに言われたことまで互いに同じだった。「くよくよ悪いことを考えるたびに自分の体を傷つけていると思えば、少しずつやめられるよ、私もずいぶん強くなったよ」と言うと、深くうなずいていた。
夜はNHKスペシャル、話題の「ダイオウイカ」。口を開けて見てしまった。途中のゲストによる話は要らん。その間に新聞を読んだり、洗濯物を取り込んだり。