薬の副作用に加え、眠ろうとすると蚊が耳元でプーンとうなって起こされる。たまらず夜中の1時にナースステーションへ。体に悪いと思いつつ、電子蚊取りをもらう。マスクをして寝る。
朝食後、向かいのおばあちゃんに話しかけてみた。今度80歳になるというのに、肌ツヤも歩き方も身のこなしもすべてが生き生きとしていて、60代にしか見えない。若さの秘訣を聞いたら、体の動かし方を自分なりに研究して工夫しているのだそう。
きっかけは、トシをとってから体が思うように動かなくなったこと。どうやったらスムーズに立てるか等、色々な人の動作を見ながら考えるうちにたどりついたのが、古武道や能など、日本古来の動きだったそうな。手足に力がある若い時は多少無理な動作をしても問題はないが、老人になったらそれではあちこちにガタがきて、いずれ動けなくなる。要は、普段の動作からして、いかに体幹を使うかということらしい。「トシをとるのもなかなか楽しいですよ!」と明るく笑っていて、一番の元気の素は、その前向きな思考じゃないかと思った。
彼女は50歳前に腎臓を患い、この病院で手術をして4ヶ月も入院したが、結局は癌ではなかった。しかし、術後落ちた免疫力が20年も戻らず、職場ですぐに風邪等を移されてしまうので、会社勤めもやめ、ひっそりと暮らしてきた。身寄りもないので、今は老人ホームに入っているそうだ。これまでほとんど口をきかなかったのに、話し出したら止まらない。実は前回の入院でも同部屋のおばあちゃんに言われたけど、年寄りというのは、本当に自分の話を聞いてくれるだけで嬉しいんだな。私なんか、ほとんどヘェ~ッ!としか言ってないもの。あんまりお元気だから、今回は検査入院とばかり思ってたのに、実は大腸ポリープを内視鏡で取る手術をしてらしたのだ。手術当日からスタスタ歩いていて、毎食ごとに白米に近づいていくおかゆを喜んで食べていた。すごすぎ!
看護士から呼び出しがあったので、一階の外来化学療法室を見学し、説明を受ける。次回からここで、3週に一度のペースで約一年、分子標的治療薬ハーセプチンと治験薬を投与しに通うのだ。
ついでに散歩。昨日おとといと休ませたせいか、足裏が痛くない! でも用心して1周でやめておく。ちなみに昨日から、階段を歩いて登る体力気力が戻ってきた。やっぱり前回より副作用がラク? 前回はインフルエンザ後の病み上がりだったしね。それとも漢方のせいかしら。
空くのを待って、12時過ぎから急いで風呂。昼食。
ギリギリまでゴロゴロ休んでいたが、木曜午後はシーツ交換のため、部屋を追い出されてしまう。いつもお茶している面々がいるかな~と珍しく自分から食堂を覗いたが、誰もいなかった…面会室の女性雑誌を取ってきて結婚式に着ていく服を考える。
14時半、終わったようなので戻って寝ていると、パンダママが「お茶してま~す。よかったら」と誘いに来てくれた。
計5人で17時半まで話し込んだ。抗がん剤の副作用で昨夜4回も吐いたという女性は、さすがに途中退場したけれど…。ここでも偶然インナーマッスルの話になった。入院中に見た映画の内容といい、最近何かとつながってるというか、カブるな~。あとは私のほかにも一人、乳製品をやめている人がいて、「医者に聞いたってきっと笑われる。エビデンスもないし、信じるか信じないかは本人次第。でも自分はお守り代わりにやめている」と言っていて、私とまったく同じ考えだと思った。ちなみにその人は元ナース。
病院近くの黒棒専門店や、マルタイ棒ラーメンのプリッツ等、今日もたくさんお菓子をいただいてしまった。なのに、夕食も完食。昨日ちょっとだけ出てから便がまったく出ていないのでさすがにつらくなり、マグラックス2錠とセンノサイドを飲んだ。明朝7時には出る予定。
放射線の人のほとんどは明日から外泊してしまい、土曜退院の私とはもう会えない。本当にこういうのは苦手だが、勇気を振り絞って、今回おしゃべりした人の各部屋を回って、アドレス収集。自分の次の外来が決まったので、他の癌友にもメールしてスケジュールが一緒じゃないかを確認。珍しく携帯メールが飛び交う夜となった。
無料映画『歩いても歩いても』を途中まで。樹木希林、YOU、原田芳雄、阿部寛、夏川結衣…ストーリーもなかなかいい感じ。
21時から、「きょうの料理」栗原はるみのお弁当。手作りシューマイ、美味しそうだった。その後、「ケンミンSHOW」「ダウンタウンDX」をハシゴ。