コトノハマニア

言葉を紡いで生きていく

抗がん剤FEC 1C 4日目

朝、洗面所で、「背中にカイロ貼っとーと?」とおばあさんに声をかけられた。

「左の背中が凝るんですよ~。手術してないおっぱいがあるほうの」と言うと、「私もなの!」。見ると私同様、右胸がぺちゃんこだ。「で、肩は右が凝るんですよね」と聞くと、「そう!きついよねぇ…」

その後、「おっぱいは、また新しくつくると?」「こどもはいくつ?」「どこに住んどーと?」と矢継ぎ早に質問された。最後に私の部屋番号を聞いて帰ろうとしたが、次なるターゲットが見つかったようで再び足を止める。

後からきた別の女性にいろんなことを聞いてる。シャンプーしながら私も聞く。14年前に温存手術。その時は抗がん剤なしの5年間ホルモン治療で終わったが、のちに局所内再発。抗がん剤治療を始め、腫瘍は小さくなり、経過観察していたが、最近また大きくなってきたので今回入院した。腰がどうとか聞こえたから遠隔転移なのかも。55歳発症で現在70歳。乳がんの手術は他の癌に比べてカラダへの負担は軽いけど、一度かかったらホント一生付き合わねばならない。

だから私はがんと闘おうなんて全然思ってない。石原先生の説によると、癌は究極の血液濾過装置。単なる悪者ではなく、きちんとワケあって生まれたものなのだ。だから塊こそ手術でとってしまったが、全身に回っているかもしれない癌とは死ぬまで共存するつもりだ。

入浴。初めて浴槽に浸かった。きもちよかった。

昼はハヤシライスを完食。食後、昨日と同じく、吐き気どめの薬を飲む。と途端に頭がぼーっとして眠くなる。カラダがふわふわ浮いている感じで、立っていてもバランスを崩してしまう。

木曜日はシーツ交換。みんなで廊下で待つ。チャイルドアンケートの依頼がきたので即諾してサインしようとしたら、以前協力したのと同じやつだった。まったくどこからどこまでダメなチャイルドケアサポート。

乳がんと牛乳を読み始めて、うつらうつらしたり。夕方からやけに喉が乾き水しか飲みたくなくなり、顔が赤い。

37.8 少しだけど熱が出たのだ。あーあ、さっきまで外出許可をとろうと思ってたのに、やっぱりダメか…

さらに追い打ち。月曜退院の会計がきたのだが、私は随分取らぬ狸の皮算用をしていたようだ。治験で補助されるのは薬代のみで、入院費は自腹だったのだ。

どうやら私の場合、副作用も少なそうだし、保険収入なんか当てにしないで、さっさと社会復帰するが吉っぽい。

ちょっと気分が落ちてしまったので、規則違反して消灯時間以降、ダウンタウンDX見て寝る。