コトノハマニア

言葉を紡いで生きていく

2007/10/18(木)


朝、カズが「パパとおはなししたい」というので携帯から電話させた。出ない。

カズを自転車で園まで送ったその足で友人との待ち合わせに向かう。チビのヘルメットが邪魔なので、事務所の玄関に置いてきた。案の定、ダーは夢の中。以前、事務所泊が続いたときに「足を伸ばして寝たい」と言っていたので、今回も毎晩、窮屈な思いで眠っていたら可哀相だなと思ったが、新調したソファベッドをちゃんとベッドにして眠っていた。ほっとすると同時に、これで彼は別の寝場所を確保したんだなと思い、ちょっと寂しい。

広尾から日比谷線で銀座へ。以前勤めていた会社の先輩Uさん(ダーと同い年の8歳年上なのに、何故かあたしのほうが威張ってる)とランチの約束。

昨夜の電話で、「最近流行の場所なら食べ物はなんでもいい」と言った私に彼女が提案したのは、銀座マロニエゲートのフレンチ「ポール・ボキューズ」。彼女が以前友人と行ったときに行列ができていて入れなかったから、とのこと。11時の開店前に行ったのに、もう長蛇の列! 

私が出産する前まではかなり頻繁に、おいしいものを一緒に食べに行っていた仲。「いつぶりだっけ?」と互いに言いながら、今年1月26日、私の誕生日以来だねと思い出す。話は尽きないので待つのは苦ではなかったが、約30分待ってやっと案内されると思ったら、ちょうど私たちの目の前で満席に。あと1時間半、次の回を待つかどうか聞かれたが、辞退して去る。

彼女が知っている、近くのビルを何軒か当たってみたが、どこも満席とか貸し切りとかで入れない。ビュッフェなら空いていたが、彼女は着物で来ているし、私も落ち着いて食事をしたいので、また移動することに。

老舗フレンチ「レカン」でもいいわよ、と言われ、心ゆれる。確かに生涯に一度は行ってみたい店たが、値段はともかく、緊張して食った気がしないような店は今日は嫌!(ホント、私はわがままだ)と言い、私の案内で「エノテカ・ピンキオーリ」を覗くと、ランチで6千円~! そんなら、さっきレカンの店頭に掲示されていたカジュアルな姉妹店「ロテスリー・レカン」がいいやね、と歩き出す。すぐに見つかった。メニュー構成・値段も納得できるものだったし、互いに腹が減っていたので、もう迷わずに決めた。

結果、空いているし、天井が高く通りに面していて開放感はあるし、ランチも値段・好み別で3コースから選べるし、ワインはレカンラベルでリーズナブルで美味なものが揃っているし、大満足。1900円~という値段は普段いただくには高価だが、特に子持ちになってからは夜は出にくく、友人と過ごすランチは特別なものになっているので、全然問題ない。堅苦しくないビジネスランチにも利用できそうだし、いい店を見つけちゃった! イベリコ豚とキノコのサラダも、太刀魚と蟹のムースも、牛の赤ワイン煮もすべて美味しく、適当な店で妥協せずによかった!!!

「おいしかった!」「付き合ってくれて、ありがとうね」と言い合う。私がかつて担当していた新聞連載の仕事を紹介してくれたのは実は彼女。密着取材で先日までずっと一緒だったWといい、温泉他、多数の仕事を振ってくれるMといい、本当に私は友人に恵まれている。心から感謝。

いい気分に酔っぱらったので、煙草が吸いたくなった。が、彼女は大の嫌煙家の上に甲状腺を患っている。帰って早々に一服したい気持ちは山々だったが、「えー、帰るの?」と言われ(昨日、ゆっくりできるよと言ったのは私だ)、銀ブラすることに。

有楽町イトシアまで歩いてざっと見たあと、銀座三越のデパ地下へ。満腹なのに、今晩のおかずを考える気になどとてもなれないのは当たり前。が、私はダーの好物の「小洞天」のシュウマイを買ってしまう。こういうところが、彼との暮らしが身に沁みていると思うのだ。いつも、そう。喧嘩していても、「あ、これダーが好きだったな」とか、面白いことがあると「このこと、ダーに話したいな」と思い、なにもないふうにいつしか振る舞ってしまう。

Uさんは、私の一回目の結婚や自分勝手な離婚や今回の諍いの件もすべて知っている。突然の交通事故で旦那さんを亡くして以来、ずっと頑張って来て今もひとりで暮らしている彼女(あれからもう15年以上が経つのだ!)はどんな気持ちで私の言い分を聞いてくれているのかと一瞬思うことはあるが、敢えてそこは気遣わずに私は何でも本音で喋ってしまう。そうでなきゃ、この関係は続いていないと思う。

銀座駅でバイバイ。

カズ迎えの後、ヘルメットをピックアップしに事務所に寄る。夕刊を手にしたカズ、玄関で「パパ、新聞ですよーっ!」と元気に叫んだのに返事がない。仕事の電話中なのだった。悪いことをした。そのままそっとドアを閉めて帰ってきた。

「ロテスリー・レカン」

※体型そっくりですが、いうまでもなく私ではなく、友人の後ろ姿。着物、とても似合ってた。いい女だよ、本当に。