キリンジを脱退したヤス(堀込弟)が隣に引っ越してきた夢を見た。ギターで作曲をしている鼻歌が壁越しに聴こえる。彼と普通に顔なじみになり、美しい歌声を日常の中でいつも聴ける至福。とても幸せな気持ちで目が覚めた。
月曜日。あっくんと登園。年長組の男の子たちがシャベルでプールの水をすくい、投げていた。それを自分の靴下に浴びたあっくん、ブチ切れ。本人たちには言わないのだが、「おれにかかったっつーの! ふざけんな、んにゃろー!」と小さな声ながら鋭い形相でめっちゃ怒っていた。
ダーに頼まれた書類を取りに区役所へ。久しぶりの晴れなので、カズと一緒に歩いて行く。
が、「今日(学校の)プールって覚えてるよね?」と言った途端、カズの表情が固まり、石になってしまった。
重苦しい雰囲気が2人を包む。強制でなく任意のプール。やつが行きたくないのは知っている。が、悪天候だった先週から「来週は行くんだよ」と約束していたし、あっくんなんか保育園行きたくないのに、毎日頑張って行っている。だったら、たまのプールくらい、カズだって行ったっていいと思うのだ。それに、私が、毎日、暇そうにだらだらしているカズを見るのが耐えられない。今日はカズがプールに行っている間に仕事をするつもりだったし。
けれど、本人の様子があまりに深刻なので、そんなことは言えない。ただ黙って、2人で炎天下を歩く。
歩きながら私は迷っている。行きたくない本人の気持ちを尊重してやるべきではないのか。でも、そんなことをしたら、今後、万が一、「学校へ行かない」と言い出した時に、イエスと言うしかなくなる。さらにカズは何に対しても消極的で、自分からやりたいと言うタイプではなく、それをすべて鵜呑みにしていたら、何もできないやらない子になってしまうのではないかという恐れもある。実際、行く前は嫌だと言いながら、半ば無理やり経験させたら「たのしかったー」というパターンが彼には多い。やっぱり無理にでも行かせるべきか。雨続きで室内ばかりにいて絶対的に運動不足なのは明らかだし…。そう、私はプールの1時間半だけでも、戸外で過ごしてほしいのだった。
帰り、遂にカズが口を開いた。「どうしても行かなきゃダメと?」。嫌だとは言っていないが、彼が自らこんな形で意志を露わにするのは珍しい。
どうしていいのかわからなくなって、ダーにLINEで助けを求めたら、「(強制じゃないなら)本人の自由では?」という返事。なんてシンプルな答え! その通り(とその時は思った。今は、大人じゃないから、やっぱり本人の自由というわけにはいかないと思っている)。すとん、と胸に落ちた。そうよね、「自由」! 私は子どもたちをガチガチに管理するばかりで、自由をまったく与えていなかった。そのことを反省して、帰宅後、カズと話した。
カズが行きたくない理由は、私の推察通り。「知らない子の間で時間を過ごすのが嫌だ」ということ。気持ちはわかるけど、親友のHくんだって最初は知らない子だったわけで、誰だって一度は遊んで見なければわからないし、そんなんじゃ世界が広がらない。あと、これから成長していく上で、外で思い切り体を動かすことがどんなに大切かという話をした。わかった、と言いながら、ものすごく安心する顔を見て、これは相当行きたくなかったのだと思った。
やっぱり私は言いたいことを我慢するのに慣れてないし、向いてない。昼食後、ほとほと疲れて眠る。
起きて別室で仕事をしていたら、玄関のチャイムが鳴った。またちょっと願っただけで、素晴らしいプレゼントが届いたのだ。ありがたい。カズが反応しないなぁと思っていたら、珍しく布団で扇風機をつけたままゴーゴー眠っていた。ごめんね、やつも彼なりに色々考えて疲れたんだろう。
今日一日、本当にマンションがうるさかった。同じフロアに住むガキが仲間と鬼ごっこやらして廊下等で騒ぎまくっていたのだ。カズに比べると、なんとも子どもっぽい。たぶん、カズと同級生じゃなければ、「うるせー! 遊ぶんなら公園へ行け!」と怒鳴っていたと思う。でも、あっくんを迎えに行ったら、立ち居振る舞いのすべてが彼らと同じ“悪ガキ”だったので、黙っていたよかったと思った。お互い様だ…あっくんの行く末よ、いかに…!
夜は、明太チャーハンと、スーパーで華味鳥のミンチを半額で買ったので、大根や人参、冷凍庫のアスパラとともに鶏だんごスープ。私の分までご飯がなかったので、トーストにバターを塗って明太子ひと腹をたっぷり塗って焼いてみたら、超おいしい明太フィセルができ上がった(味にうるさいカズも感動していた)。白ワインの残りとともにいただく。
夜、温熱。子どもら就寝後、本日進まなかった原稿書きにとりかかる。その後日記を書き、2時過ぎ、就寝。