朝、いつものように食卓の上にあるPOWERBOOKの電源を入れ座ろうとしたら、つめたっ! 慌てて尻を離す。触ると事務用椅子がぐっしょり濡れていた。なんだ!? オレか? また寝ぼけたか?
登園前。2階でぐーぐー眠っているダーを横目で見ながらカズの手を引いて階段を降りようとした瞬間、激しい憎悪の念が湧き上がり、どうすることもできなかった。つい先日、口元に手を当てて眠っている姿を見たときには、赤ちゃんみたいで可愛いと思ったというのに。昔、アルバイトで農場を手伝っていた頃、彼と毎日ひとつのテーマをもうけて議論しながら仕事をしていて(当時はまだ現在のようにMacが普及しておらず、デザイナーには手作業がたくさんあって口は暇だったのだ)、そのとき「愛は憎しみに変わるか」という議題もあったように記憶しているけど、互いにその答えはなんだったかな? 愛しさは憎しみには変わらない。ただ共存すると今の私は思う。世界一愛しくて世界一憎らしい、厄介な存在。いや、憎らしいと思うこと自体、相手が自分の思うようにならないという不満があるわけで、そのことがすでにもう、私の精神的な幼さを表しているのだけれど。ま、せいぜい寝首かかれないようにしてちょうだい。
で、また二日酔いなわけです。よれよれの体を抱え、横浜へと向かう。
途中ケータイでmixiロムり、K嬢の日記で安野モヨコ『働きマン』4巻が発売になったことを知る。武蔵小杉でトイレ休憩を兼ね下車、本屋でゲットし車中で読む。本当にこの人、うまいよなぁ。同級生の結婚式で、ほかの友人たち(子持ち主婦)のように気を働かせることができず、「あたしたちって仕事以外のスキル、上がってんのかな?」とプチ凹む主人公・松方弘子(週刊誌編集者・29歳独身)に同じような境遇の友人が言う。「鍛えてる筋肉が違うだけよ」。格好いい!
本来の目的とは異なるのだが、日本大通り駅を上がったところにある横浜ユーラシア文化館の企画展「青い煌き ウズベキスタン」に惹かれ、入ってみることに。正直、入場料の割に規模は物足りなかったけれど、陶器やハサミ(鳥の形!)の造形は美しく、いろいろな答えもあった。たとえば私はいま自分用の「印」を作りたいと思っているのだけれど、普通の文字や篆刻ではつまらない、何か面白い文字はないかと思っていたが、この地方独特のクーフィー文字というのがあったのね。さらに、アラビア文字は植物等自然の造形にもよく馴染むから、デザインの一部として積極的に使われていたことを知り、深く納得。
隣の日本新聞博物館へ移動。「Kids Photographers 子どもは天才!」を見る。盲学校に通う子どもたちが「ボクのワタシの好きなもの!」をテーマに撮った写真展だ。新聞のほかテレビでも紹介されているのを見たけれど、視覚が閉ざされている彼らは、聴覚を頼りにシャッターを押す。ピースサインを送ってくれるバスの運転手さん、昼寝をする弟、ソファに寝転がるお父さん、夕暮れの電線にとまる鳥たち・・・。心の目で撮った写真は、みんな温かい。この子らを指導したカメラマン氏が、「ふだん愛情に包まれて暮らしているからこういう写真が撮れるのです」と言っていたが本当にそうかもしれない(殺伐とした環境で育った子どもは壁とか無機質なものにカメラを向ける傾向にあるらしい)。一度こういう写真を見てしまうと、「巧く撮ろう」などと思っている時点で自分はもうダメだと思ってしまう。
暑い中、歩いてさらにBankART Studio NYKへ。「La Cha?ne -日仏現代美術交流展」。世界を代表するフランスの現代美術作家、ボルタンスキー発案の展覧会ということだったのだが、結論。やはり私は現代美術分野のインスタレーション(特にムービー)はわからん! ひとつもクるものが無かった。残念。でも、歴史ある2会場の建物は抜群に良かった。
疲れたしお腹も空いているので、BankART 1929 Yokohamaの地下へ降り、馬車道駅から帰ることに。途中、カツカレー食った。 久しぶりに外れた。
帰宅。気分悪いが眠れず。
夕方、ダーと「なにか食いますか?」とメールやりとり。「食べたい物は?」と聞くと「特になし。アイデア求む」と返されたので、考えながらとりあえず歩き出す。事務所で「強いて言えば回転寿司かなぁ」と言うと、「なら、先日行った蟹寿司の店へ」と言われる。「えー、だって私、きょう飲めないし、つまんないよ!」と言うと、「そんな決まり俺にはないし! 関係ない! 毎日飲めます!」とワハハハと高笑いする。そりゃそうだす。一緒にカズをピックアップ後、目黒の「濱の屋」へ。
金曜日なので満席。だが1時間半くらいでいいならと予約席に座らせてくれた。ダーは相変わらずの蟹と中トロ集中攻撃。私は、中トロ、炙り中トロ、炙りサーモン、穴子、いくら、うにを一個ずつ。「どれから食べようかなぁ」とニヤニヤしながら箸を出せずにいたら、ダーに「かなしい~。たまにファミレスに連れて行ってもらってメニュー選べない子どもみたい」と馬鹿にされた。サラダは彼が食べないセロリ、エシャロット、ブロッコリーを担当。周囲の酔っぱらいおやじたちに圧倒されたカズは早々に帰りたがったが、生海苔の味噌汁も含め、相変わらずおいしかった。
寝室の電球が切れたので、東急ストアで蛍光電球灯を買って帰る。高い。
居酒屋行ったのに、ノンアルコールよく頑張った! さすがに疲れていて、割とすぐ眠れた。