コトノハマニア

言葉を紡いで生きていく

抗がん剤FEC 1C 16日目

夜中にトイレに起きた時、頭と歯茎があまりに痛くて、ひーんと少しだけ泣いた。

朝までずっと39.2度。ご飯だけは炊いたが起きられず、カズは一人で支度して学校へ。

またあっくんとだらだら。横になるとすぐ眠ってしまう。午前昼寝後、38.3度。

歯茎が痛くて噛めないので、昼はにゅうめん。あっくんはおかわりしてくれたけど、私は味がわからない。ものすごくしょっぱく感じたのと、豚肉を入れたせいで痛くて、ほとんど食べられなかった。

午後36.9、37.1、36.6と久しぶりに36度台を見る。私は眠ったが、あっくんは、お兄ちゃんの帰りを待って、全然眠らない。

カズ帰宅後、兄弟一緒にゲームをしていたが、17時頃からあっくんが「おなかすいた~!」と騒ぎ出す。たぶん眠いのもあり、機嫌が悪いのだ。でもまた熱が上がってきた私は何もできない。

カズが、「あっくんバナナ食べる? チーズ食べる?」と一生懸命とりなしてるのに、「お兄ちゃんのバカ、もう!いらない!」と泣いたり、椅子をガタガタさせてカズの宿題の邪魔をしたり、とにかくグズグズ言っているので、何度か布団から叫んで注意したが、全然やめない。

頭に来て、仕切り戸を開け、あっくんの頭を後ろから思い切りはたいた。椅子から転げ落ちた。

「ごめんなさい」とギャーギャー泣く。またその声がうるさい。無視してると、またさらにヒートアップ。

結局、昼間の残りの冷たくなっためんをすすりだして、やっと収まった。

よく考えたら、かわいそうよね。ほとんど動かない母親と一日一緒にいて、お兄ちゃんが帰ってきたらワガママも言いたいよね。私が気づくのはいつも手を出したあとだ。

現在ライフラインとなっているバナナがなくなったので、カズに一人でサニーに買いに行ってもらう。

夕食はピザクック。歯茎が痛くて、私は一枚を食べきれなかった。

いつまでも下がらない熱と、歯茎の痛みに耐えかね、癌ともの先輩Fさんに泣きのメールを入れると、彼女も同じ頃39.8度の高熱が出て、病院からのクスリは効かないし、心が折れそうになったけど、癌ともの励ましでなんとかなったという返信。確かにこのつらさは、経験者にしか、わからんわ。

夜は夜で、もう寝る時間なのに、あっくんがまたゲームをやめようとしない。「約束を守れないならゲームなんか捨てる!」と言って庭に投げたふりをしたら、ゴーゴー泣き出し、地団駄を踏む。ものすごく音が響く。これじゃ、二階のこと言えないよ…

結局やっぱり眠いのだった。風呂に入らず、ママと一緒に寝るという。

一人で入浴していたカズを風呂上がりに呼び、洗面所に20本くらい落ちた頭髪を見せる。「ほら、抜け始めたみたい」と言うと、「ホントだね。ハゲて、早く元通りになるといいね」と言ってくれた。

Fさんにもらった部分カツラをカズにかぶせるとキャッキャッと笑う。騒ぎに、あっくんも布団から出てきたので今度はあっくんにかぶせて、みんなで笑った。皮肉なことに、脱毛がらみでやっと我が家に笑いが戻ってきた。

歯茎も小指も冷やすとずいぶん楽なことに気づいた。熱も37度台をキープ。あっくんが散らかしたパズルやカードも片付けた。感染による発熱は、峠を超えたのだろう。

心理的に一番オチるのは、脱毛するこれからかもしれないけど。