コトノハマニア

言葉を紡いで生きていく

ハーセプチン+治験薬 8C/01

2時、トイレで目が覚める。用を足して戻ってきたら2時12分に冷房が止まった。5時半、暑くて起きる。窓と廊下側の通路を開け、トイレへ。戻ってきた5時39分、冷房がブィーンと音を立ててついた。そこからが熟睡タイム。ラジオ体操に間に合わず、7時の配茶で起こされた。

昨日もシャワーすら浴びていないし、今日も治療で入れなかったら嫌なので、朝イチで風呂。

10時、投与開始。針刺しはベテラン先生じゃなく初めて会う若い女医だった。しかも話し方からして私が一番嫌いなタイプ。準備の途中、ソフトバンクのお父さんの形の私のマグカップを「わー、かわいい」と褒めるが、そういう無駄なお愛想はいいからさっさと刺して成功させてくれと内心イラつく。「うーん(刺せる血管が)ないですねぇ」と左手を何度もひっくり返してペシペシ叩いた後、結局、手の甲に刺すも失敗。当たり前だ、そこはベテラン先生でも「ふぅ危なかった!もう少しで失敗するところだった」と苦戦していたところだもの。結局、手の甲のまた別の血管にトライしたのだが、途中で「ひゃっ!」と小さく叫んで手がとまった。え?なに? とドキドキしていたら、どうやら血しぶきがあたりに飛んだ様子。おいおい! その程度で医療者がそういう動揺した叫び声をあげないでほしい。心の中でため息…

ハーセプチンが終わり、いつも冷えている体が熱く感じたので、「今ってもう2つ目の薬ですか? なんかちょっと暑いんですけど冷房のせいですかね」と若い看護師に聞くと、まだ食塩水で流しているところだと言う。看護師が「一応報告しとこ」とつぶやきナースコールを押すと、一緒に組んで担当しているベテラン看護師が飛んできた。「カーッと来ました?」と聞かれたので、「そう!そんな感じです」と答えたら、滴下をストップし、先生を呼んで診察するという事態になってしまった。さっきの嫌な女医の診察により、結果、問題なかったのだが、正直その対応にちょっとビビッた。毒ともいわれる恐ろしいおそろしい抗がん剤じゃないんでしょう、分子標的治療薬も、そんな怖い薬なの?

そんなわけで終了時刻が延び、皆より遅れて昼食。

午後、前回の入院で同じ部屋だった同級生、のりちゃんが外来ついでに寄ってくれる。彼女も病気発覚から間もないので、まだ気持ちの整理がつかず、自分が乳房を失ったり、脱毛することで小さな一人息子が傷つくのではないかと、そのことばかり心配していた。私も同じだったけど、けっこう子どもって大丈夫だよ、見た目がどう変わってもママはママなんだよ、と励ます。

夕方は、昨日笑わせてくれた先輩と私とかつて同室で過ごしたFさんが見舞いに来てくれた。3人で食堂。そこで恐ろしい話を聞いた。命に関わる医療ミス。今日もそうだったけど、だから最近あんなに点滴投与に慎重になったんだなと思った。教訓としては、点滴中は眠ったりせずに、しっかり医療従事者の様子を観察しておくこと。信用して任せてはダメ!

点滴を担当したベテラン看護師が、血で汚れたシーツの交換に来てくれた。正確には彼女のせいじゃないのに、私が恐縮して断ると、「私たちが汚したんですから…」と。その気持ちと、ほんのちょっとなのに、忘れずにいてくれたことが嬉しい。彼女は基本ムスッとした感じで愛想のかけらもないのだが、いつも要所要所を押さえた細やかな気配りをテキパキとしてくれる。私はこういう看護師が好きだ。

夜、フリペのスケジュール調整など、食堂にパソコンを持ち込んで少し仕事をした。

その後、同部屋でおしゃべり。手術を控えている2人に私の偽おっぱいを見せてあげた。逆に、30万くらいの人口乳房の情報も仕入れた。あとで詳細を調べてみる。普段は特に不自由を感じないんだけど、夏になり、やっぱ子どもとプールに行きたいし、温泉も入りたいと思うようになったのだった。

21時にカーテンを引き、個室状態にする。相変わらずの関節痛より今はやっぱり両手足の爪が痛い。さらに、就寝前、前歯が爪と同じように痛むことに気づいた。巻き爪と同じように歯が前に出てきたらどうしようと怖くなった。