コトノハマニア

言葉を紡いで生きていく

ホルモン203

あっくんが咳き込むたびに冷蔵庫まで氷を取りに行き、口に放り込む。夜中に何度起きたかわからない。

幸い、吐かずに済んで、朝には熱は下がっていた。

昭和の日。雨で外に出られない子どもたちが暇を持て余しているので、大好きな謎解き絵本『時の迷路』シリーズの新しいのを買ってきてあげると言って、子どもらに留守番をさせて一人買い物に出かけた。

あっくんは、なんとか食べ物を口にするようになったが、お兄ちゃんの遠足のおやつの残りのおっとっとやラムネなど、欲しがるのはお菓子ばかり。それでも何も食べないよりはいいかと与えてしまった。ま、滅多に食べさせないしね。

咳は依然ひどい。私も眠りたいから、午後、一緒に布団に入らせたのだが、激しく咳き込んで眠るどころではない。たまらず、マヌカハニーを飲ませたり、苦い抗生物質を除いた薬(去痰薬、抗アレルギー薬、拡張剤)をだまくらかして飲ませたり。30分以上、咳が止まらなかったんじゃないかな。あまりにひどいので、「もういいよ、寝なくて」と言って寝室から追い出したのだが、起きてもまだコンコンやっていてどうしようもないので、耳を塞いで布団をかぶり、私は自分だけ眠ってしまった。

結局、買い物に行っていたカズが途中で帰ってきたことが、気分転換になったようで咳は落ち着いた。助かった。飽きっぽいあっくんは暇だと咳がよりひどくなるのだ。だって、ゲームやってる時やテレビ見てる時はあまり咳き込まないもの。よくわかった。

夜、自分の好きな録画を見ていたあっくんは、調子に乗って一緒に歌っていたカズに「しずかにして!」「うたわんで!」とマジギレしていた。元気になった証拠だ。

テレビで見た“まぜのみ”を早速実践したカズ。麦茶と牛乳、あっくんが飲み残した(口はつけていない)OS-1と牛乳などを混ぜて飲んでは、「うまいうまい」と言っていたが、やがて、トイレに駆け込んだ。予想通り、下痢。本当は「やめな!」と言いたかったけど、ぐっとこらえて、たまに口を挟まないで自由にさせておいたら、これだもの。アホだ。

寝転んで、本屋でつい買ってしまった村上春樹の短篇集『女のいない男たち』を読み始める。1話目を読み終え、泣いてしまった。前も書いたけど、彼からは何度も何度も同じメッセージを受け取る。かつては飽きたように感じたそれが再び沁みるようになったのはトシのせいじゃない、取り巻く環境が変わったからだ。以下、私の意訳。「傷けられたように感じたあれもこれも、病のようなものだ。ただ黙って、やりすごすしかないのだ」。