若くして逝ったライター奥山貴宏さんのブログ「32歳がん漂流エヴォリューション(通称ガンエヴォ)」を今更ながら読んでみる。文庫で全部読んだはずなのに、また、止まらない。
私は、こういうのが、書きたいのだ。
例えば、造影剤の注射に二回連続して失敗する検査技師のくだり。
~キャバクラ代と競馬で首が回らず、サラ金から矢のような催促が来ていて、決してコンドームは使わず、今まで3回堕させているけれども全部バックれ、30過ぎて実家に無心して絶縁されていて、セクハラ発言をして、女の子のお尻を触ってヤニだらけの下卑た笑いを浮かべて、月曜の午前4時にはポンプを握りしめたまま、浴室に全裸でぶっ倒れているような男。
それでも、針は常に正確に打つ!
これがプロってもんじゃないか?!
オレはこういう検査技師を望む。
オレにとっては針が正確に打てるか否かが彼らに望むすべてだ。それ以外は全くどうでもいい。
人間ですらなくてもいい。
従順で無害な白い羊みたいで無難そうな雰囲気なんか、望んでいない。
オレはプロとしてプロの仕事を全うする医療スタッフを望んでいる。
マジメそうで草食動物系の羊みたいな雰囲気を醸し出していれば、デタラメに針を刺して患者に苦痛を与えて良いのか。
それとも、このバカ共が上達するのを、オレたちが犠牲になって待っていろというのか?
人柱にでもなればいいのか?~
『32歳ガン漂流 Evolution』
人間ですらなくてもいい。のくだりでもう、笑っちゃうんだよね。深刻な話なのに、個人の体験から切り離して昇華した上で文章にしてる。まさに、プロ。
うーん、できれば、この赤裸々なハハモドキとは区別して、きちんとガンモドキを書きたいのだが。しかもよくある闘病記ではなく。頼まれたように仕上げるのは得意だが、自発的クリエイティブは超苦手だからなぁ。アイデンティティないしw
とりあえず、ずっと考えてきたタイトルが、さっき、ふと浮かんだ。
『是癌』
ぜがん、ですよ。カタッ! でもなんか、世間でよく言う癌と闘うとか勝つとか克つとか全然ピンと来なくて、暴れないように共存してけばいいんじゃないか、癌よキミの存在を認めようと言うスタンスの記。
ゼガンキとかでもいいね。ガンエヴォみたいな愛称が欲しいのよ。
口が乾いて眠れないから、仮想ブログを脳内執筆しながら眠ろう。
おやすみなさい。