朝、あっくんの顔を見たら、口の周りに発疹ができていた。随分前から膝のあたりにもプツプツとできていたし、これは手足口病だ! と思い込む。ネットで調べたら、登園禁止というわけではなさそうだが、水遊びも始まったし、恐らく園からもらってきたものとはいえ、他の子にうつしたら申し訳ない。来週は取材撮影があって体調くずされたら困るし、余裕のある今週中に回復させておきたいと、保育園を休ませる。
保育園の指示通り、小児科受診。結論から言うと手足口病ではない。何百種というウイルスの中の約1割が発疹を起こす。さらにその中で、人類の歴史から、重篤になるものには、はしかなどの病名がつけられているが、弱いものには病名がつけられておらず、「急性発疹症」としてひとくくりにされる。手足口病だったら、まず熱が出るし、喉にも発疹ができて痛くて食事などできない。そうなったら保育園はお休みさせるべきだけれど、こんなふうに、探さないと見つからない発疹は、手足口病ではないとのこと。相変わらずわかりやすい説明だった。
パパが福岡にいる時間が長くなってきたので、私も自宅での仕事環境を整えたい。椅子を探しにニトリのお洒落版みたいなインテリアショップ「SAKODA」。その後、園芸用品が見たくて「ダイソー」にも寄ったけど、あっくんが走り回ったり、トイレに行きたがったので(広いから遠いのだ!)何も買えなかった。
パパを送って「にしてつストア」で買い物して帰宅。あっくんはずっと「げーむしてーなー」と言いながら、録画を見ていた。私はネット。副作用がひどく標準治療をやめて免疫療法オンリーで行くことに決めた癌友からメールが来て、「もうとっくに元気になっているはずなのに、ダンナや会社の人とか周囲の人に申し訳なくて…」と書いてあった。抗がん剤さえ終われば元気になれると思っていたのは、私も同じなんだけど、周りの人に申し訳なく思う必要は全然ないんじゃないかなと思った。というか、その気兼ねしてクヨクヨする思考こそが、癌体質! キケン! そこまで仲の良い人じゃなかったから意見しなかったけど、本当は伝えたかった。面と向かって話していたら、たぶん言っていたと思う。
夕食は、あっくんが鮭が食べたいと言ったので、焼き鮭。モヤシとベーコンの炒めもの、茄子とオクラとピーマンの揚げ浸し、ホウレン草と卵の中華スープ。嫌いって言うと思ったのに、あっくんはオクラをおかわりした。2人とも味付け海苔でごはんを3杯ずつ食べた。
食事の途中、カズに「鮭の骨とって」と言われて、熱いのを我慢してやり始めたのだが、すぐに皿をカチーンとカズのほうに戻して、「やめたっ! いいよ別に骨が面倒だったら食べなくても…!」と言ってキレた。なんでこんな指先がじんじん痺れている状態で、こんな小さな子にするみたいな世話を焼かなくちゃならないのか。みんな、ママはもう元気になったと思ってるのだ。このつらさをわかってくれるのは、癌友しかいない。
カズは毎日、汗でずぶ濡れになって帰ってくるので、帰宅後すぐにシャワーを浴びさせている。あっくんをシャワーに入れ、私は福神漬の仕込みがあるので2人に先に寝るように言って、台所に立っていた。が、あっくんがちょっかいを出し、それにカズが応戦する形でふざけあっていて全然寝ない。そして私は、煮た野菜をざるで漉したいのに、鍋が重くて持てない。関節の痛みとこわばりで力が入らないのだ。
「ちょっとカズ! 寝ないなら手伝って!」と言って呼んで、カズに持ってもらい作業をしていたら、後ろからあっくんがカズをこちょこちょする。「あぶないからやめな」と言っても調子に乗っているからケラケラ笑うだけで全然聞かない。で、またキレた。
「ごぅらぁぁぁぁっ! ふざけんな!」とドスのきいた声で叫んだら、やっと私の尋常でない様子に気づいたようで、あっくんは寝室へ逃げた。追っていって、「あぶないやろ! ボウルがひっくり返って、お兄ちゃんが火傷したらどうすんの! なんであんたは何回おんなじこと言ってもきかんの!」と言って怒ったが黙っているので、「ごめんなさいはっ?」と聞いたら、やっとカズに謝った。それで済めばいいのだが、その後も、布団叩きで台所とを仕切るガラス戸をガンガン叩く。やめろと言っても、またやる。もう頭きた!! 絶対許さん! 布団叩きを取り上げて、仁王立ちとなる。私に布団たたきで叩かれると思ったのか、あっくんは身をすくめた。ホント、気持ち的にはバンバン叩いてやりたい気分だった。あと少し理性が欠けていたら、そうしていただろう。
私が布団に入ったら、案の定、「ママとねたい~」と言って隣に寝転んできたが、「やだ、あっち行って」と全力で布団から追い出した。私の布団に入れず、自分の布団にも戻らず、暗闇の中で長い間あっくんは、ぼーっと立ち尽くしていた。が、無視。一昨日まではパパに、楽しいダジャレなぞなぞを出題してもらって、兄弟で笑いながら寝たろうに、ママになった途端、こんな険悪な雰囲気の中、哀しい気持ちになって可哀想に…と思う気持ちはあったが、どうにも腹の虫が収まらなかった。
結局、随分時間が経ってから、自分の布団へすごすごと戻っていった。
しかしこの不快感と痛み。どうしたものやら。2人が寝たあと、しびれ・関節痛の箇所に、びわの葉を貼ってみる。