相変わらず朝は起きられない。みんなすでに散歩したり世間話したりしているのに、私だけ配茶時間ギリギリ最後までカーテンを閉じたまま。
8時、朝食前に採血。まず事前に腕をホットパックで温める。あれ?いつもこんなことしないのに。さらに、量が多いから気分が悪くならないように横になったままで…と言われたので、どのくらい採るんですか?と聞いたら6本50mlとのこと。
通常の採血は5mlを2本、残り4本は治験用とのこと。なるほどね。
食後、洗面に行ったら、前回の入院中、隣のベッドだったTさんが。え?抗がん剤?と思ったら、私とは担当は違う先生だったが、やはり断端陽性で再手術してあす退院とのこと。
午前、隣のベッドに見舞い客。聞き耳を立ててしまい、本を読んでいても頭に入らないので、目をつぶっていたら、うつらうつら眠ってしまった。
ぽんと膝を叩かれて起こされた。初回の手術の時、同部屋だった大先輩Fさんが外来ついでに寄ってくれたのだ。私と同じ、全摘→抗がん剤2種→ハーセプチン→ホルモンのロングラン治療だから、彼女の元気な姿は本当に励みになる。
存在だけでも有難いのに、キレートレモンやヨーグルトやたこ煎餅など、抗がん剤の副作用で気分が悪くなっても彼女が食べられたというものを差し入れてくれた。他に、トマトや果物、ワカメ等を持ってきて冷蔵庫に入れておき、食べられる時に食べなさいと。あと、眉毛なんか毎日描いておかないと、どこにあったかわからなくなっちゃうよ、鼻毛も抜けるから鼻水がたらたら流れてくるしねー、と言われた。
まぁでもとにかく一年後にはこんなふうに髪も生えて元気になるけん。癌友(がんとも)のランチ会にも誘うからおいで。24日に友だちが入院するから、また来るわ。その時に、自分が使わなくなった部分ウィッグを持ってきてあげると言って帰っていった。
入浴。朝、頭を洗ったから下半身をシャワーで洗って、少ししか持って来なかった下着を手洗いしてすぐ上がる。
石原結實『「食べない」健康法』読了。朝、人参リンゴジュースと生姜紅茶、昼そば、夜アルコールを含め好きなだけ。1日2食~1食の食事療法。最初に石原先生の著書を読んだのはダイエット目的だった10年前くらい。当時私は60kgに迫るデブで、様々なダイエット本を読み漁っていたが、中でも一番納得できる本だったのを覚えている。
いま読んでも、主張は当時とほぼ同じ。ただ、年数を経て、先生の健康法を実践して効果が出た人の事例が増えた分、信頼性がより高まったように感じる。実は、昨日読了した本の著者ムラキテルミさんは、この石原メソッドを忠実に守った結果、複数の病院で末期と診断された肝がんを克服したのだ。その排毒の様子は壮絶だったけれど、一つひとつ納得できるものだった。
だから私は今後も、朝食抜きの1日2食生活は続けるつもり(そしてやがて1日1食まで持っていく!)。問題は、明日から約半年続く抗がん剤治療中も続けていいものか、それだけだ。
昼食後、隣のベッドのKさんと話す。100円ショップで売っている部分ウィッグを帽子に縫いつけて作った毛付き帽子を見せてくれた。彼女がとびきりの美人だからかもしれないが、まるごとのウィッグより全然違和感がなく十分な感じだった。
14時を過ぎると見舞い客で病室が賑やかになる。
15時のコーヒーとおやつをやりたくて一人で食堂へ。パソコンに向かっていたら、朝、洗面所で会ったTさんが「あー、やっぱ仕事してるー!」と言いながら来た。彼女の再手術までの経緯や今後の治療について聞く。術後治療は、放射線だけで済むかもしれないらしい。他人を羨むことは滅多にないけれど、今は心底、いいな~と思う。
小一時間ほどパソコンに向かい、夕食前に少しだけ館内散歩。副作用が出ても食べられそうなものを売店で探し、個人差が大きいのだから投与してからじゃないとわからないじゃん、馬鹿みたいと思い、やめる。
売店の本棚を物色し、田中ひろみ『おっぱいをつくる』を発見! すごいなこの人、遂に自分の病気も著書にしたか…でもよく考えたら、漫画家や文筆家にとっては当たり前のことなんだ。
夜、ジェインプラント『乳がんと牛乳』読み始める。
担当のS先生、来る。採血の結果を丁寧に説明いただく。白血球、貧血、肝臓、腎臓、すべて問題なし。これで明日の投与が決まった。あれだけ馬鹿飲みしたりしてたのに、本当に私の体はどこまでも丈夫だ。