抗がん剤がスタートして焦ったのは、ウィッグ選びだった。
抜けないかもしれない。でもいつどんな形で抜けるかわからない。ある朝、シャンプーしてすっかり抜けてしまったら、帽子やバンダナだけでは隠せない。
これまでロングソバージュからベティちゃんのようなショートパーマ、松岡きっこばりのおでこ出しボブ、角刈り寸前のベリィショートまで色々な髪型をしてきて、その度に似合うと言われてきたし、坊主だってハッキリ言ってサマになる自信はある。昔、似てるといわれたことがあるけど、きっと、ミニラみたいなキュートな感じになると思うのだ。
ただ、周囲には配慮してあげたい(検診を受けて欲しいので、私はかなりの人に乳がんになったことを告白しているのだが、みんなのショックの受け方がこちらの想像以上にひどい)。
さらに子どもは、右のおっぱいがぺたんこになったのを見ているだけでもショックだろうに、その上、髪まで無くなったら…。カズなんて不安そうによく、「ママーいつハゲるの? そっか、まだかー、よかった」などと言ったりする。
そんなわけで、ウィッグを用意することにした。
ウィッグに関しては、天神に「ウィッグリンク・ジャパン」という素晴らしいNPOがあって、格安でレンタルもしてくれるのだが、登録時に主治医のサインが必要なのと、もともとガサツなのでレンタルは気を遣うということで、購入を考えていた。
ネットでも散々探したし、癌友の中にもネットで購入したという子もいたけれど、ウィッグってフィットしてナンボでしょ。写真だけだと値段と品質の差もわからないし、どうしても実際一回試着をしてみたかった。考えたらこれまで一度もウィッグをかぶったことすらないのだ。
癌友の一人が、親友が医療用ウィッグを扱う美容院を経営しているというので、行ってきた。
あらかじめカタログを送っていただき、こちらの希望するウィッグを伝えてあった。
人生初のウィッグ。
もうすぐ全部抜けるからと髪の手入れを全然していない。網々のインナーネットをかぶると生え際の白髪が際立ち、一気にトシをとって見えて哀しくなった。やっぱり髪の役割って大切なんだなー。
医療用ウィッグと通常のおしゃれ用ウィッグの違いは、毛髪がなくても頭皮に刺激が少ないように、内側にあらかじめ柔らかい素材のネットが張られていること。また、当然、ウィッグ自体も頭皮が見えないように厚くなっている。だから重い。そしてデザインもやっぱりおしゃれ用ウィッグのほうが優る。
8個くらいかぶって、なんとか1つ、これならカットすればいけるかなぁというのを見つけたが、それでも印象としては“髪の多い癖毛のオバサン”である。限りなくダサい。
とってもよくしてもらったけれど、重い気分は抜けなかった。あんなものに2万5000円も払うのか…(それでもお友だち紹介で安くしてもらっての価格。普通に用意しようとすれば5万、オーダーなら15万くらいはする。でもネットなら1万位~ある。そのクオリティの差がわからないのだ!)
春日市に1万円くらいで用意してくれて、カットやお手入れもしてくれるサロンがあるというから行ってみようか。でも、来週唯一動ける月曜は定休日だし…
色々考えていたら、天神コアにウィッグ屋があるのを思い出した。
「NAVANA」。やっぱ可愛いなぁと思いながら、「うちはそーゆーのやってないんで!」とか言われたらどうしようと、なかなか店内に入れずにいたら、声をかけられたので事情を説明してみた。
すると、なんと、病気による脱毛者の利用も多いのだそうだ!
スタッフは全員美容師さん。部分カットなら1050円、全体でも2100円でカットしてくれ、クリーニングも2100円でしてくれるという。値段の差が出ているという毛質の違いもじっくり観察した。価格が高いほうは、光らないから見た目が人毛に近い。感動したのが、最近新開発されたという、つむじ!
程よく地肌が見え、上からじっくり眺めても、ウィッグだとわからないほど自然。しかも16800円と安く、在庫があれば来店当日のお気に入りをすぐ持って帰れるのも魅力。
付けてみた感じも、ショートの他、ロングも欲しくなるほど自然で可愛い。うちからはアクセスもよいし、決めた!
これでいつハゲ始めても安心だ。一気に気持ちがラクになりました。ありがとう。
※私は天神コア店利用。他店も同様の対応かどうかは未調査です。