6時過ぎ起床。トイレがいっぱいだったので患者情報室へ降りて、排泄の後、一人でラジオ体操をして、ブログを書く。
一人部屋は快適。思い切りおならをしてみたり、テレビを見ながら部屋で歯を磨いてコップに水を吐いたり、普段は副作用で気分が悪くなる人がいるといけないと思って遠慮しているコーヒーを飲んだり、マニキュアを塗ったり、わざと行儀の悪いことをやってみたりした。なんかのマンガでこんなのあったな、と思いながら。
帰ってきたCさんに新さつまいものふかしたのをいただいた以外は誰とも交流せず、ただひたすら部屋で映画やテレビを見ていた。
午前、『隠された記憶』。再生を始めたのに、絵が動かず、音もしない。おかしいなと思ってPCの音量を調整しているうちに、微かに画面が揺れているのに気づいた。静止画じゃない! 誰かが風景を撮影しているのだ。そしていきなりそれがキュルキュルと巻き戻った瞬間、体がブルッと震えた。「これは面白いに違いない!」と確信した通りの映画だった。
ひとことで言えば、無造作に届けられたビデオテープをきっかけに崩壊していく家族の話なのだが、主人公の男性の過去と絡み合って、どんどん深みにハマっていく。建物の廊下をただ写した映像さえも怖い。音楽も一切なしで物語は淡々と進むのだが、最後まで、まさに目が離せない状態。なのに、私は「衝撃のラストシーン」を見逃していた! 見終わって、ものすごくコーフンしたので、すぐにネットで監督を調べたら、なんとあの『ファニーゲーム』『ピアニスト』のミヒャエル・ハネケではないか! そして映画の最後に大切な場面が隠されているとある…。慌ててもう一度、ラスト5分くらいを画面を凝視して観た。なるほどね!!!
それでも真相はわからない。この監督お得意、そのように作られているのだった。この後味の悪さ含め、ハネケ作品、やっぱり大好き。ストーリーも映像も、どの場面を思い出しても、ただ、ひれ伏すしかない。文句のつけどころがない。そういう完璧な緻密さが、好きなのだ。結末について、犯人について、誰かと話して意見を請いたくなる映画。
夜は久しぶりに「モヤさま」をリアルタイムで見て笑った。だらだら体操は、理にかなっているよ。野口整体やゆる体操と共通点がある。
20時から、『第9地区』を観る。予備知識一切なく見たが、これまた別の意味で衝撃作。ずっと目を真ん丸くして、口を開けて見ていた。南アフリカを舞台にしたエイリアン強制移住計画の話。これって、もちろん人種差別等の深刻なメタファーがあるのだろうけれど、私はとても丁寧に作られたコメディとして観た。だって、ゲロ、おしっこ、異種性姦、スプラッター、なんでもアリだよ。「エビ」と呼ばれるエイリアン、なんだか可愛いし。主人公が片腕からエイリアンに変態しつつあっても、エイリアンが解剖されていても、人間が木っ端微塵に吹き飛んでも、動ぜずニヤニヤ。最後の戦闘シーンでは、ちょっとコーフンしたけどね。「いけいけーっ!」って感じ。子どもには見せたくないけど、存分に刺激を受けたし、映像も楽しめました。
昨日の『ソイレント・グリーン』から4作品は、いずれもK嬢が送ってくれたもの。一つもハズレがないって凄い。よくこれだけ私の好みをご存知で…と思ったが、もともとキリンジつながりだし、たぶん、様々な好みが似てるんだろう。私の知らない、私の好きなものを、彼女はたくさん知っている。やっぱり彼女は私の文化芸能部の師匠だ。
消灯前、帰宅したともちゃんが歯ブラシを手に寄ってくれる。何も言わずに帰っちゃったから、正直寂しかったので、うれしかった。