コトノハマニア

言葉を紡いで生きていく

ハーセプチン+治験薬 5C/18

朝から左上瞼がずっと痙攣している。頭も痛いし、耳もよく聴こえない。

体調悪けりゃ気分も最悪。

午前こそ、やらなければいけない原稿の修正に集中したが、その後は、泣いてばかり。料理をしている間は少し気が紛れたがこんな精神状態で上手にできるはずもなく、すると、また落ちてしまう。今日は昼食を食べてもダメだった。午後も布団の中で泣いた。一向に良くなる兆しがないしびれ、今後果たして働けるのだろうかという経済的な不安。「つらいよ…」「たすけて…」「なんでこんなことに…」という言葉が初めて声になった。

思えば癌になってからというもの、やれ手術だ治療だで日々忙しくて、実はあまり泣いていないのだった。いや今でも、病気になったことを悲観したり、再発や死を恐れたりはしていない。ただ、子どもたちに不憫な思いはさせたくない、それだけ。

「なんでこんなことに…」というのは、入院中、同じ乳がんにかかった多くの女性から聞かされた言葉で私は大嫌いだった。実際、私が仲良くなった人はみんなこういった誰かのせいにするような発言をせずに、病気をきちんと自分のものとして受け止め、前向きに生きる人たちだった。けどやはり、長い闘病生活の中では、たとえそれが理不尽な思いであっても、すべてを誰かのせいにして肩の荷物をおろすのが必要な時もあると今日わかった。だってそうじゃなければ、ずっとずっと自分を責めて生き続けることになるからだ。

鍼灸院やカウンセリングなどをネットで調べたが、この欝状態が2週間続いたら行くことにしようと決める。

夕方、早くあっくんに会いたくなる。夜は具合悪そうにずっと横になっている私を見かねて、カズが体を一生懸命踏んでくれた。子どもだけが、癒しだ。あ、違う。庭いじりもあったな…

夕食は、胡麻と自然塩をかけたごはん、豚ブロックのマーマレード煮を薄くスライスしたもの、茹でアスパラ、納豆、トマト、キャベツと里芋の味噌汁。よく知らないものを好んで食べないカズに、「これ何?」と聞かれたので、「手作りハム」と答えたら、「ハムうまい」と言ってよく食べた。ただし、甘いタレは要らないと。あっくんはタレを付けたほうが好き。

相変わらず、あっくんはパワフルだ。布団の中でも色々話したがるので、「ママ疲れたから、あっくんお話して」と言ったら、「むかしむかし…」で始まり、おじいさんが桃を割ったら、「うんちでした~っ!」「おしっこでした~っ!」のオチとなるうそ昔話や、仲良しのKちゃんとケンカしたという話。その理由が、あっくんが絵本かなんかを見ながら「これマグマやろ」と言ったら相手が「ちがう」と言ったとのこと。「マグマ!ちがう!マグマ!ちがう!マグマ!ちがう!マグマ!ちがう!マ・グ・マ!ちが~う!」と様子を再現してくれた。

そうそう、こんな日なれど、新たな仕事の打診がいくつかあり。やっぱり私は何も考える暇がないように暮らしたほうがいいと、神様は思ってらっしゃるのかもしれない。