また、鼻血が出たというカズに起こされる。2時半。勘弁してくれよー。
目覚ましで6時半起床。シャワーを浴びて着替えていたら、ダー来宅。病院の順番待ちの間、カズを診てもらえるように、私がきのう頼んだのだ。カズはまだ寝ている。
7時前に家を出る。まだ病院の正面玄関は開いていないので、もうすでに暑い戸外で待つ。ずっと入口で張っていて、7時と同時にドアをくぐったつもりなのに、引いた整理番号は3番。院内にはすでに涼しい顔のオヤジが。は? なんで!?
ミニストップでソフトクリームを買って帰ろうと思ったら、機械の準備がまだできていないとのことで断られた。基本的に何を食べても外れがないオハヨー乳業の棒アイスを箱ごと買って帰る。
絶対まだ寝ていると思ったカズは起きてダーと遊んでいた。それぞれにアイスを1本ずつ配り、皆で頬張る。
ガク散歩。簡単な掃除。洗濯物干し等を済ませ、8時に再度ひとり病院へ。今度は先ほど受け取った整理番号順に、外来受付機に診察カードを通すのだ。あー、面倒くさい。でも、これが、大病院の仕組み。
再び帰宅。あとは診察開始の9時に再々度、行くだけなのでダーは帰って行った。お疲れ様です。
カズに急いで朝食を食べさせ、登園の支度をして自転車で病院へ向かう。
医師の顔を見た途端、ちっ!と舌打ち。先日の区民健診の喉頭ガン検診の際に、なんか機械的でいやだなぁと思った若い医師だった。予定表では私の大好きな先生になっていたのに!
「7月15日、ちょうど1カ月前から鼻血が出まして、最初はプールに入ったときとかだけだったんですけど、だんだんその頻度が上がってきて、最近では夜中とか、両方の鼻からも出たりするんです」と訴える私に対し、軽く診察した医師、「割と入口から出ていますね」。「ちがいます、それは昨夜の鼻血が乾いてくっついているだけです」。「右鼻ですかね」「違います、ずっと左鼻だけだったんですけど、おとといくらいから、右も出るようになって」と、まったくこちらの様子を誠実に観察しようとする態度がみられない。「とりあえず止血剤を塗ります」と言って、左の鼻の穴から、止血剤を浸した濡れたガーゼで奥までこすっていく。右も同様にしようとしたとき、カズの右鼻の穴からツーッと真っ赤な血があふれ出した。「あっ!」と思わず声を出してしまう私。先生も慌てて止血剤を含ませたガーゼを詰め込んでいく、計3枚。最初はおとなしく1人で座っていたカズもやがて抵抗をはじめ、「おかあさんの膝の上に座らせて、ちゃんと押さえていてください」と言われ、やってみるが、両膝でやつの足を挟んでおでこと腹を押さえるだけで精一杯で、処置に抵抗して先生の手を振り払おうとするカズの手まで止められるわけがない。
そして、出血の勢いを診ればすぐに止まるわけはないのは素人目にもわかるのに、なんでもセオリー通りに進めようとする医師は、詰め込んだすぐあとにすぐガーゼを取り出しては、「まだ止まってませんね」を繰り返す。当たり前じゃ! しかも、ガーゼを取り出すたびに血は色鮮やかとなり、量も増えていく。遂に、どろっとした血糊のようなものまで出てきて、私はそのたびに「わっ!」と思わずのけぞってしまう(基本的に血が苦手なのだ)。朝イチの診察なのに、ゴミ箱が血に染まったティッシュでどんどんいっぱいになっていく。唯一の救いは、ベテランの看護師さん。常にカズを励まし、そして服が汚れないように気を遣ってくれ(処置をすれば血でTシャツの前が汚れるくらい、医師だってわかるはず。それとも鼻血をあなどっていたのか?)、素手でカズの血に触ってしまったときはさすがにギョッとしていたけれど、それは仕方ない。私もだんだん気分が悪くなってきた。
結局、最後の手段という感じで選ばれたのは、自然に溶けるタイプの脱脂綿。4度目の詰め物には、さすがのカズも全身で抵抗して泣いた。ガーゼよりは吸収力が落ちるということで、もし、これでまた鼻血が出てくるようだったら呼んでください。もし、このまま出てこなければ、今日はそのまま帰ってもらってかまわないとのこと。
しばらく待合室で座っていて、結局、そのまま帰れることになったのだけれど(最後までカズの顔の汚れをきれいに拭いてくれた看護師さん、心から感謝します)。そして登園したのだけれど。
カズの鼻血を一番心配してくれているベテランの先生に報告すると、「原因は?」「で、今後の処置は?」と色々聞かれ、その何一つ、納得のいく説明を、医師から受けていないことに今更気付いた。診察を受けていたときは、私も必死だったのだ。
家に帰る途中で、診察の一部始終を思い出し、だんだんムカムカしてきた。あの医者は、どのくらいの頻度で出るのかとか、量はどのくらいか、血の色は等、なにひとつ聞いてくれなかった。そして、素人でさえネットで情報を収集してわかる、アレルギーの問題や、カルシウム不足や、鼻が曲がっていることで起こる鼻血など、それらひとつにも言及してくれなかった。なんだあいつ!? 私は、医師の仕事の半分は、人の話を聞くことだと思っているので(特に私のように、聞かれないと話せないタイプの人間の気持ちを汲むのが!)、まったくもって腹が立つ。医師としての腕の前に、やっぱり人間的な問題なんだよねぇ。これは教師も同じだが。
10時過ぎにカズを送る。ちょっと遅れたが、なんとかいつも通りに仕事を始められそうだ。SUBWAYで校正した後、帰宅し、修正。鬼より厳しいチェックをかけてくるNさんに原稿を送って(内心ドキドキ!)、でもなんとか手持ちのIT関連原稿は終わり。のちにレギュラーのMM2本をクライアントに送って、昼寝。
頑張ったご褒美に、白ワインを買って帰る。夕食のおかずは、恒例カツオのたたきなど。鉄分もあるしね。毎日、大量に血を流しているカズにスタミナをつけてあげたい。夕食時、「明日はママと焼肉を食べに行こうね! 絶対お外で食べて帰ろうね」と約束する。
自然と溶けるという脱脂綿は、夜になっても、依然溶けないまま。いやだなぁと思っていたら、風呂上がりにカズの身体を拭いていたときに、2つポロッとこぼれ落ちた。あとは一番奥に残っている1個だけだ。ちょっと苦しそうなのが不憫だったが、今宵こそは2人とも熟睡したいと、今晩中に溶けることを願ってそのままにして寝た。